「音律について」のページで出てきたセントについて、書きたいと思います。
centは微小な音程を測定するため、あるいは音律による音程の大きさを比較する為に用いられる対数単位です。また、微小音程が顕著に現れる民族音楽を分析する際にも有用です。
先ず、十二平均律の半音の間隔を100centと定義します。
累乗根1200^√2とは、「ある数を1200回掛けると2になりますよ」という事です。
累乗根は2^1/1200と指数に書き直すことができます。この数は1centの周波数比を表します。
この時、b/aという周波数比があったとして、これをcent値で表したいとします。
1200等分した内のN乗だけ掛け戻すと考え、その時の周波数をb/aとします。
すると、
(2^1/1200)^N = b/a 2^(1/1200*N) = b/a 1/1200N = log₂(b/a)
よって N = 1200log₂(b/a)
を得ることができます。
それから、底の交換公式を使って常用対数に変換します。
底の変換公式 log[a]b = log[c]b/log[c]a を用いて
N = 1200 × log[10](b/a)/log[10]2
常用対数表からlog[10]2は0.3010だから
N ≈ 3986.71×log[10](b/a)
となります。
2つの音aとbの周波数が知られている場合、aとbの間のセント値はこの式で算出できます。
また、同様にaとbの感覚のセント値Nが知られている場合、bは以下の式で算出できます。
b = a×2^(N/1200) ※aは任意の周波数
異なる音律を比較するために、諸々の音程の大きさをcentに変換することが行われます。例として純正律の長三度は周波数比で5:4と示されます。これは上記の式により約386centとなります。平均律で調律されたピアノの長三度は400centとなります。この14セントの差は半音の約7分の1であり、容易に聞き取ることができます。








音律について ① – 炬々炉の火のブログ への返信 コメントをキャンセル